「良い知らせ」

2021年4月18日礼拝説教梗概

聖書:ルカの福音書1章1~25節

説教:住友暁伝道師

今日からルカの福音書の講解説教となります。ルカは医者でユダヤ人でなく異邦人でした。彼はこの福音書とその続編とも言うべき「使徒の働き」を異邦人であるテオフィロが福音を真実のこととしてよく理解できるように書き起こしました。そのため緻密な取材を重ねて、他の福音書にないバプテスマのヨハネやイエス様の誕生の背景を書き留めました。 最初の記事は、子どもを授からないまま歳老いたユダヤの祭司ザカリヤ夫妻に起こった出来事でした。彼らは子どもが生まれますようにと祈り続けていましたが、その実現の「良い知らせ」は思わぬタイミングでやってきました。神殿に登り、マラキ書で預言が閉じられて以降、四百年もの神の沈黙の中で、救い主メシヤの来臨、イスラエルの贖いを祈っていたその時のことでした。でも、夫婦にとって喜びの知らせであるはずのこの天使告知をザカリヤは信じることが出来ずしるしを求めました。その結果、祭司として大切な「言葉」を一定期間奪われます。ガブリエルを通して語られた神の告知を信じきることが出来ないザカリヤでしたが、言葉を奪われるという試練のしるしを得て、一歩前に踏み出します。妻と床を共にした結果、やがてエリサベツは懐妊します。この「良い知らせ」は、ザカリヤ夫妻に喜びをもたらすだけにとどまらず、聖書の預言が実現に向けて始動する出来事でした。祈ってきたザカリヤが受け取った「良い知らせ」は二千年を超えて今の私たちに流れ来るグッドニュース、「福音」の源流でもありました。 私たちも祈っていながらその実現を信じきれない自分に気づく時があります。しかし、全能の神様に祈りながら、自分の常識や理性、時には諦めの中に神様の御業を閉じ込めようとしていないでしょうか。祈りは一方通行ではなく、神様とのコミュニケーション・交互の応答です。そしてその実現はあなたに喜びをもたらすだけでなく、神様のご計画の中へ参与を促します。主イエスの名によって確信と期待をもって祈り、愛なる神様は最善を与えてくださることを信じて一歩を踏み出す、そのような信仰をもって歩ませて頂きましょう。 

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