「アブラハムの旅立ち」
2023年8月20日主日礼拝説教梗概
聖書:創世記12章1~9節
説教:住友曉伝道師
アブラムの父テラは、アブラムとその妻サライと甥のロトを連れてカナンの地に向かってメソポタミアのウルを出発しました。しかし、彼らは、大河ユーフラテスに沿って1000㎞ほど歩いて着いたハランに腰を落ち着けてしまいました。アブラムの父テラは、このハランで亡くなりました。
ある日、神様からアブラムに「わたしが示す地に行きなさい」との呼びかけがありました。あなたの土地、親族、父の家を離れなさいとの促しです。ウルもハランも月の神を崇める風習の地でした。神様はアブラムを物理的にも偶像礼拝の影響から離れさせて、まことの生ける神との交わりに戻そうとされました。この呼びかけには、祝福の約束が伴いました。むしろ、祝福するために神様はアブラムに声をかけたと言ってよいでしょう。「あなたを大いなる国民とし…地のすべての部族はあなたによって祝福される」という祝福は、彼の生涯を超えた時間軸と、地理的にも広がりを持つものです。しかし、家畜を伴う遊牧民にとって水辺を離れて荒野の方に向かうことはリスクがありますし、子どももなく、年齢的にも肉体的にもこれから子どもを授かることが望めないアブラムにはとてもチャレンジングな約束でした。しかし、アブラムは、主の呼びかけを受けとめて、一族郎党を引き連れてカナンに向かって旅立ちました。このアブラムの従順の一歩によって、彼はイスラエルの民族の父、信仰の父となり、更にやがてイエス・キリストによって全世界に祝福が及ぶことへと繋がっていくのです。彼の旅立ちの一歩は、主なる神様のご計画が進められるために、神様が備えられた一歩でした。
神様の導きと守りによってアブラムたちはカナンの地に入り、祭壇を築き、真の神を礼拝しました。今の私たちにとって祭壇を築くとは主を仰ぎ見て、賛美し、御言葉に聴き、主イエスの御名によって祈りをささげることでしょう。アブラムを呼ばれた神様は、今も私たち一人一人の名を呼び、イエス・キリストを通して「あなたを祝福する」と約束してくださっています。その主を信頼し、仰ぎ見て受け取ることが信仰です。アブラムの様に、私たちもまた、家において、学校において、職場において、祭壇を築いていく、そのような者とされたいと願わされます。