「キリストの証人となる」

2023年5月7日主日礼拝説教梗概

使徒の働き 1章3~14節

説教:安藤友祥主任牧師

 使徒の働きの書き出しは、イエス様の受難と復活の事実、真実性を語る事から始まります。教会の宣教の出来事を記録した、使徒の働き。その教会の働きは、イエス様の十字架と復活を土台とした出来事です。

 復活されたイエス様は神の国の事を語られます。神の国とは土地や領域を示す言葉と言うよりも、神様のご支配、統治というニュアンスを持つ言葉です。「神様のご支配とはどういうものか。」「神様が望まれる事、望まれない事とはどういう事か。」「神様に従って生きるとはどういう事か。」「神様の価値観。」そのように表現できるのが神の国と言えます。

 イエス様は弟子たちに新しい命令を与えます。エルサレムを離れないという事。そして父の約束を待つ事。イエス様は聖霊が与えられるという事を伝えていました。イエス様が去る時に、新しい助け主が与えられる約束。それは弟子たちにとって良い事であると。さらにバプテスマのヨハネの洗礼について触れ、聖霊によるバプテスマをあなた方はこれから受けるのだと宣言されます。イエス様が洗礼を受けられた時、聖霊が鳩のように下り、イエス様は力を受けられました。そしてその出来事からイエス様は公生涯を始められました。イエス様がバプテスマで聖霊を受け、力を受けられたように、弟子たちもこれから聖霊のバプテスマを受け、力を受ける。その約束が与えられたのです。

 6節の弟子の言葉。何か嚙み合わなさを感じます。弟子たちはイスラエル王国の独立、現状からの解放を期待していました。そしてそれをイエス様がしてくださると期待していたのです。けれども、イエス様はそんな弟子たちに、イエス様の証人となり、地の果てにまで伝えるという役割と使命を与えました。弟子たちにとって、ローマは倒すべき相手ではなく、罪の悔い改めと赦し、救いを届ける相手だったのです。

 命令と約束を与え、昇天されるイエス様。弟子にイエス様の再臨の約束が与えられます。弟子たちはすぐに地の果てを目指すのではなく、イエス様の約束を守り、エルサレムにいて心ひとつに祈っていました。イエス様の働きはイエス様からの力を受けなくては、聖霊を受けなくては実行できません。弟子はイエス様の約束は必ず実現する事を知っていたので、祈り、待つ事が出来たのです。

 参照:イザヤ49:6~7 ダニエル7:14 ダニエル7:27、使徒28:30~31

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