「主は覚えておられた」
2023年12月３日主日礼拝説教梗概
ルカの福音書 １章５～２５節、５７～６６節
説教：安藤友祥主任牧師
ルカの福音書冒頭に、模範的なユダヤ人として登場するザカリヤ夫妻。この夫妻は、長年子どもが与えられなかったこと。神殿の奉仕でくじに当たった事を含めて神様の計画に入れられていました。
神様はこの神殿での出来事を通して、４００年の沈黙を破られました。マラキを通して語られた、エリヤの霊と力をもって主の道を整える者。それがザカリヤ夫妻に与えられる子ども、ヨハネであると。喜びの約束、そして待ち望んでいた預言の成就です。けれども、神様を信じ、主の掟も落ち度なく従って生きていた祭司ザカリヤは、その言葉を信じることが出来ず、そのような事を、何によって知ることが出来るでしょうか？としるしを求めました。自分自身、また妻であるエリサベツの年齢と言う人間の常識の範囲での、ごく自然な言葉だったとも言えます。旧約聖書を読む時に、不妊の女の出産や年老いてからの妊娠は何例も書かれています。ザカリヤはもちろんそれを知っていたのに、それが自分たちに起こると考えるときに信じ、受け入れる事が出来なかったのです。ザカリヤはその不信仰から口がきけなくなってしまいます。時が過ぎ、エリサベツが妊娠し、出産を迎えました。子どもの名前をヨハネと決めた瞬間にザカリヤの口は解かれ、話せるようになりました。ガブリエルがザカリヤに「その時まで話せなくなる」という「その時」が成就したのです。
ザカリヤは救い主の到来を待ち望んでいるユダヤ人の一人でした。けれども、まさか自分がその到来に関わるとは思ってもいなかった人物と言えます。そして、主の道を整える働き人が、年老いた不妊の夫婦の子どもだとは、誰も想像もしていませんでした。神様の計画は、人間からすると「まさか」の連続です。確かに神様はザカリヤが疑ってしまったようなことを、実現してこられた方。それを知っているはずなのに、人間は自分の尺度で考え、神様を評価しようとします。それだけでなく、人間は不安定であり、迷ってしまい、疑ってしまう。時に、忘れてもしまいます。けれども、ザカリヤが聖霊に満たされ預言したように、神様は覚えておられる方です。ご自分の計画を確かに実現し、進めてくださる方です。そしてその計画は私たちの救いの計画、祝福の契約です。
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